現代数学レクチャーシリーズ 第5回~第8回
2021年~2022年開講分、お申込みはこちらから。2年間のアーカイブ視聴も受付中です。
現代数学レクチャーシリーズ 第5回~第8回について
現代数学レクチャーシリーズ第5回 ~ 8回では、2021年度9月12日開催の現代数学レクチャーシリーズ第4回でご講演いただいた各先生方に、より詳細な内容についてお話しいただきます。
※諸事情により中止となりました。二宮祥一先生の第4回レクチャーシリーズでのご講義は10月24日(日) 13:00-14:00に”YouTubeすうがくぶんかチャンネル”にて振替開講されます。放送ページはこちらです。
先生方の講義を十分に楽しんでいただけるよう、すうがくぶんかの講師による予習回にて予備知識を解説いたします。こちらも併せてご参加ください。
第5回 数理ファイナンスと確率論と数値計算
講師 二宮祥一
東京工業大学理学院数学系教授
<経歴>
東京大学理学部数学専攻卒業
IBM東京基礎研究所研究員、東京工業大学理財工学研究センター助教授、同教授を経て現職
講演内容
数理ファイナンスの原理とそこから現われてきた数学的な問題の一部を解説します。
具体的には、まず全ての基礎である確率積分(伊藤積分)と伊藤の定理から始め、確率微分方程式について解説した後に、その応用として、数理ファイナンスの原点となったBlack-ScholesモデルおよびBlack-Scholes公式を導出します。
この時に数理ファイナンスの基本原理である複製とヘッジの概念が使われる様が見られるでしょう。
ここで、これらの結果のをもう一度見直して考えることによって、より高度なモデルの意味および金融産業の現場で日々行なわれている数値計算の意味が明らかになります。その中から特に研究が盛んで実務的にも重要である弱近似問題について解説を行ないます。
予備知識
教養課程程度の数学は既知としますが、それ以外にも常微分方程式の基本、多変数の微分積分学、測度論的確率論の基礎、の知識があれば理解が容易となると思われます。
※予習回では伊集院拓真(すうがくぶんか講師)が二宮先生の講演の予備知識を解説いたします。(内容未定)
日程
予習回:2021年11月14日(日) 13:00-18:00
本講義:2021年11月21日(日) 13:00-18:00
第6回 自由なカタチ–曲面上の双曲幾何
講師 正井秀俊
東京工業大学数学系助教
講演内容
本公演では、曲面上の双曲幾何の変形空間である、タイヒミュラー空間の定義を丁寧に解説した後、その次元を「パンツ分解」を用いて計算する。小中高で習う幾何学は初等ユークリッド幾何と呼ばれる。その双曲幾何学バージョンである、初等双曲幾何を用いてパンツの幾何を計算していく。これにより、曲面のカタチが、自由に変形する様子を観察する。
※予習回では梅崎直也(すうがくぶんか講師)が双曲幾何学やホモトピーの基礎を解説いたします。
日程
予習回:2021年12月12日(日)13:00-18:00
本講義:2021年12月19日(日)13:00-18:00
第7回 p進タイヒミューラー理論とその周辺
講師 若林泰央
東京工業大学理学院数学系助教
<経歴>
京都大学大学院理学研究科(数理解析研究所)にて博士号取得後、東京大学大学院数理科学研究科特任助教等を経て、現職。
講演内容
p進タイヒミューラー理論とはいったい何でしょうか.この理論は,素数が1より小さくなったり,さらには0になってしまうような数の世界が舞台です.そんな不思議な世界から「かたち」やその変形のようすをながめると,いつもと違う景色が見えてくるかもしれません.この講演では,幾何学と数論が交差するp進タイヒミューラー理論のココロについてお話しします.
※予習回では梅崎直也(すうがくぶんか講師)が若林先生の講演の予備知識を解説いたします。(内容未定)
日程
予習回:2022年2月13日(日)13:00-18:00
本講義:2022年2月20日(日)13:00-18:00
第8回 宇宙際タイヒミューラー理論
講師 加藤文元
東京工業大学教授
<経歴>
京都大学大学院理学研究科数学・数理解析先行博士後期課程修了、マックス・プランク研究所研究員、レンヌ大学やパリ第6大学客員教授なども歴任
講演内容
下記第4回講座の内容についてより詳しく解説します。
“宇宙際タイヒミューラー理論はABC予想の解決のために2012年に京都大学数理解析研究所の望月新一教授によって発表された理論です。この理論のアウトラインを、以前、私は「たし算とかけ算の絡み合い」をいかにしてほどくかという見地から、MathPowerで説明したことがあります。今回はこれを「数体のカタチ」のタイヒミューラー変形というアプローチから説明しようと思います。”
加藤先生には2017年のMathPowerにて「ABC予想と新しい数学」と題して宇宙際タイヒミューラー理論についてご講演いただきました。以下の動画をご覧ください。
日程
予習回:2022年3月13日(日)13:00-18:00
本講義:2022年3月20日(日)13:00-18:00
アーカイブ視聴について
各講座は全て録画されるため、講座終了後も復習のために2年間アーカイブ視聴が可能です。また、リアルタイム以外でのご参加も可能です。(すうがくぶんかの録画講座の詳細はこちら。)
第4回について
第4回は現代数学レクチャーシリーズ2021数理ファイナンス&タイヒミューラー祭りとして、正井秀俊先生、若林泰央先生、加藤文元先生にご講演いただきました。講演については以下の動画をご覧ください。
講座詳細
お申込みは下部お申し込みフォームよりお願いします。
名称 | 現代数学レクチャーシリーズ 第5回~第8回 |
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講師 | 第5回 二宮祥一(東京工業大学理学院数学系教授) 第6回 正井秀俊(東京工業大学理学院数学系助教) 第7回 若林泰央(東京工業大学理学院数学系助教) 第8回 加藤文元(東京工業大学理学院数学系教授) |
日程 | 第5回 予習回:2021年11月14日(日)13:00-18:00 本講義:2021年11月21日(日)13:00-18:00 第6回 予習回:2021年12月12日(日)13:00-18:00 本講義:2021年12月19日(日)13:00-18:00 第7回 予習回:2022年2月13日(日)13:00-18:00 本講義:2022年2月20日(日)13:00-18:00 第8回 予習回:2022年3月13日(日)13:00-18:00 本講義:2022年3月20日(日)13:00-18:00 |
場所 | Zoomを使用したオンライン開講となります。 |
受講料 | 各回とも
※複数回受講の場合はそれぞれの回でお支払いいただきます。 お支払いはこちらから |
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すうがくぶんかについて
社会人のための数学教室すうがくぶんかでは、「もっと社会に数学を」を理念に学校を卒業した後も本格的な数学や統計学を学ぶ様々な機会を提供しています。
10月から開講する2021年度後期の講座では、新たに「ルベーグ積分入門」、「線形代数の世界」、「ベーシック圏論」を開講いたします。これらの講座以外の講座につきましては開講講座一覧をぜひご覧ください。
現代数学レクチャーシリーズについて
社会人のための数学教室すうがくぶんかは東京工業大学理学院にご協力いただき、社会で活躍する様々な方が現代数学に触れることのできる機会を提供しています。その一環として、現代数学レクチャーシリーズと題し、数学者として活躍されている先生方の研究内容をできるだけそれに近い形で学んでいく講座を開講します。
第1回では4人の先生にご登壇いただき、様々なトピックについて解説していただきました。第2回では山田光太郎先生による擬球面の解説講座、第3回では加藤文元先生による代数幾何学の講座を行いました。(詳しくはこちら:第1回、第2回、第3回)