講義の目標
・統計検定準1級に出題される水準の問題を解ける力を身につける
前提とする知識
・統計検定2級程度の統計学についての知識
・重回帰分析、ロジスティック回帰についての基礎的な内容
・多変量解析の各種技法の知識
教科書
『日本統計学会公式認定 統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック』(学術図書出版社)
カリキュラム
01. 第1章〜第5章
最初は数学的な基礎固めです。様々な確率分布に対して、確率・期待値・分散・母関数等をしっかり計算できる素地を作りましょう。
02. 第6章〜第8章
引き続き、数学的能力を確かなものにしましょう。様々な確率分布に対し、確率・確率密度・条件つき分布・極限分布等を計算します。また、標本分布に基づき推定量などを求めます。
03. 第9章〜第12章
推測統計の2大主題は推定と検定です。様々な具体例に対して、推定・検定を構成します。標本分布が近似的にしか求められない場合も扱います。ここまでが統計学のすべての分野に対する基盤になります。
04. 第13章〜第15章
ここからは原則として統計技法別の章構成になります。統計検定準1級を目指す上では、将来自分が取り組みたい分野で使われる技法の章を重視しましょう。まずはノンパラメトリック法、マルコフ連鎖、確率過程といった技法を扱います。
05. 第16章〜第19章
統計モデルの代表例である回帰モデルの中から、線形回帰、ロジスティック回帰、ポアソン回帰を題材にして、具体例に適用したときの分析結果の見方・扱い方を学びます。他に、観測値が打ち切られる打ち切り回帰モデルと、初歩的な比例ハザートモデルを扱います。
06. 第20章〜第23章
分散分析・直交計画法は定番のやり方が確立している分野で、その分典型的な何通りかの状況に特化した技法の開発が進んでいます。それが当然の前提となっている出題に備えておきましょう。標本調査法は、導出が困難な式は問題文で与えられるのでその運用法をおさえておけばいいですが、そうでない式は自力で導けるようにしておきたい分野です。主成分分析は結果の解釈・運用に慣れておきましょう。背景では線形代数のやや高度な知見が縦横に活用される分野ですが、統計検定では数学的知識はさほど必要ありません。23章は素朴な線形判別分析とより発展した技法のサポートベクトルマシンが主要な題材です。それぞれがどのような特徴を持つかをおさえておきます。
07. 第24章〜第27章
クラスター分析は、階層的・非階層的クラスタリング法のそれぞれに対して、代表的な手法とその特徴を分類しておくことが大切です。因子分析はやや複雑な技法です。登場する色々な用語・概念を整理して理解しておきましょう。グラフィカルモデルや構造方程式は、より進んだ分析法のベースで、統計検定の試験範囲内では重要性が読み取りにくい所があります。聞かれていることには答えられるようにしておきましょう。26章は、実質的に多次元尺度法のみ扱います。時系列解析は、与えられたデータに対する最適なモデルの選択法が主要な題材です。代表的なモデルの(偏)コレログラムの特徴を整理します。
08. 第28章〜第32章
分割表は医療統計などで多く使われ、特に 2×2 分割表に特化した技法が発達しています。これも表の見方も含め慣れておきたい所です。不完全データの統計処理は、典型的なやり方が持つ特徴をおさえておきましょう。モデル選択では、代表的なモデル選択規準である AIC と BIC の定義式・使い方が重要です。ベイズ法は、試験範囲内では事後確率の更新の仕方と、シミュレーションによる乱数標本の得方が主要な題材です。32章ではその他の計算機シミュレーションの原理を扱います。
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