現代数学レクチャーシリーズ2022-PART1

社会人のための数学教室「すうがくぶんか」は東京工業大学理学院にご協力いただき、様々な方が現代数学に触れることのできる機会を提供しています。
※この度、新型コロナウィルス感染第7波を鑑み、会場での聴講を中止させていただくこととなりました。YouTubeによるLive配信はかわらず行う予定です。皆様どうぞ、現代数学レクチャーシリーズ2022-PART1を、動画配信にてお楽しみください。

3年目の今回も先生方のご協力のもと、大変魅力的な講義を揃えることができました。数学研究の面白さをご来場の皆様やインターネット配信をご覧の方々に感じていただければ幸いです。

YouTube放送予定の動画リンク https://www.youtube.com/watch?v=J8HIQ-VfneI

現代数学レクチャーシリーズ2022-PART1 講演内容

葉っぱの非ユークリッド幾何学

講師 正井秀俊

東京工業大学理学院数学系助教

<経歴>
筑波大学工学システム学類卒、東京工業大学数理・計算科学専攻博士後期課程終了。東京大学数理科学研究科、東北大学材料科学高等研究所にて博士研究員、助教を経て現職。

講演内容

しばしば「新しい数学」は受け入れられるのに、大きな抵抗を受けた。非ユークリッド幾何学に気づいたガウスは、世間からの反発を恐れ、公にしなかったと言われている。それでも、非ユークリッド幾何学は確かに存在していた。そして徐々に受け入れられ、現代では活発に研究される数学である。本講演では、そんな非ユークリッド幾何学が葉っぱや地図など、身近に溢れていることを紹介する。時間が許せば、近年研究され始めているAIと非ユークリッド幾何学の関係について、幾何学者として講演者なりの私見も述べてみたい。

“関数”の“関数”の極値問題

講師 小野寺有紹

東京工業大学理学院数学系准教授

<経歴>
東北大学大学院理学研究科数学専攻博士課程修了、九州大学マス・フォア・インダストリ研究所助教等を経て現職。

講演内容

高校数学で学ぶ実数を引数とする関数の極値問題を一般化し、関数や曲面といった無限次元空間の元を引数とする関数の極値問題を変分問題といいます。よく知られた最小作用の原理のみならず、様々な数理現象を記述する偏微分方程式が、変分問題を通じて簡明に理解される様を体感してみましょう。

解析的整数論の話

講師 鈴木正俊

東京工業大学理学院数学系准教授
<経歴>
2016年度 – 2021年度: 東京工業大学, 理学院, 准教授、2015年度: 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 准教授、2012年度 – 2014年度: 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授、2012年度: 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授、2009年度 – 2011年度: 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特任助教

講演内容

素朴に考えると、整数論は微積分のような解析学とは無関係に思えます。ところが、例えば与えられた数以下の素数の個数を知ろうとすると、対数関数という解析学の対象が必要なことが分かります。
整数をはじめとする「数」を研究する道具として解析学を利用する理論は、現代では解析的整数論と呼ばれています。この講演では、解析的整数論の入り口周辺の紹介として、素数定理や分割数などについてお話したいと思います。

p進20面体

講師 加藤文元

東京工業大学理学院数学系教授

<経歴>
京都大学大学院理学研究科数学・数理解析専攻博士後期課程修了、マックス・プランク研究所研究員、レンヌ大学やパリ第6大学客員教授なども歴任

講演内容

正20面体の回転対称性の全体は正20面体群(5次交代群に同型)をなしますが、逆に正20面体群の球面(リーマン球面)への作用から正20面体を復元することができます。これを逆手にとって、正20面体をp進幾何(リジッド幾何)の「球面類似」に作用させることで「p進20面体」なるものを構成することができます。このことは、さらに一般のシュワルツ三角群にも一般化できます。p進幾何への入門も兼ねて、以上のことについてお話し致します。

現代数学レクチャーシリーズ2022-PART2について

この度、2022年7月24日(日)に開講するPART1に加えて、現代数学レクチャーシリーズ2022-PART2として今回ご登壇いただいた4名の先生に講義をしていただきます。2022年8月~2月までの間に各先生方それぞれ1回ずつ、5時間の集中講座となります。

2022年8月28日 グロモフ双曲幾何学体験会 (正井秀俊)
2022年10月23日 “関数”の“関数”の極値問題 — 変分法の発展 —(小野寺有紹)
2022年12月18日 解析的整数論の話 (鈴木正俊)
2023年2月19日 p進20面体 (加藤文元)

必要に応じて各講座ごとにすうがくぶんかの講師による予習回を用意します。数学を専門としない方にも先生方の講義を十分に楽しんでいただけるよう、予備知識をわかりやすく解説いたします。こちらも併せてお気軽にご参加ください。
お申し込みはこちらから。

講座詳細

名称現代数学レクチャーシリーズ2022-PART1
講師正井 秀俊(東京工業大学理学院数学系助教)
小野寺 有紹(東京工業大学理学院数学系准教授)
鈴木 正俊(東京工業大学理学院数学系准教授)
加藤 文元(東京工業大学理学院数学系教授)
日程2022年7月24日(日) 13:00-18:10(12:30 開場)
[プログラム]
13:00-13:10 すうがくぶんか主催者挨拶 (社長 内場 崇之)
13:10-13:30 理学院主催者挨拶 (久世 正弘 理学院長 + 山田 光太郎 教授)
13:40-14:40 葉っぱの非ユークリッド幾何学 (正井 秀俊 助教)
14:50-15:50 “関数”の“関数”の極値問題 (小野寺 有紹 准教授)
16:00-17:00 解析的整数論の話 (鈴木 正俊 准教授)
17:10-18:10 p進20面体 (加藤 文元 教授)
場所東京工業大学 LECTURE THEATRE
受講料無料
定員100名
持ち物筆記用具
ライブ放送当日はYouTubeでの同時配信も行います。お申込み不要で、定員はありません。
YouTubeにてご視聴いただく場合は、こちらのURLよりご視聴ください。
YouTube放送予定の動画リンク
https://www.youtube.com/watch?v=J8HIQ-VfneI
主催株式会社すうがくぶんか・東京工業大学理学院

これまでの講演

2019年の第1回では4人の先生にご登壇いただき、様々なトピックについて解説していただきました。第2回では山田光太郎先生による擬球面の解説講座、第3回では加藤文元先生による代数幾何学の講座を行いました。(詳しくはこちら:第1回第2回第3回

昨年は、3人の先生にご登壇いただき、「タイヒミュラー祭り」をテーマに第4回を開講しました。
「タイヒミュラー祭り」では、数学界を超え社会を大きく賑わせた京都大学の望月新一氏による”宇宙際タイヒミュラー理論を用いたABC予想の解決”に関連した3つの講演を行いました。正井秀俊先生、若林泰央先生、加藤文元先生の3名の先生方に、タイヒミュラー空間から始めてp進タイヒミュラー理論、そして宇宙際タイヒミュラー理論について解説いただきました。

その後「社会に生きる数学」をテーマに二宮祥一先生に「数理ファイナンスと確率論と数値計算」をご講義いただきました。こちらのご講義は”YouTubeすうがくぶんかチャンネル”にてご視聴いただけます。放送ページはこちらです。

また、現代数学レクチャー第5回~第8回として今回ご登壇いただいた4名の先生方それぞれに改めてじっくりと講義をしていただく機会を設けました。(詳しくはこちら:第5回~第8回講座のページはこちら

すうがくぶんかについて

社会人のための数学教室すうがくぶんかでは、「もっと社会に数学を」を理念に学校を卒業した後も本格的な数学や統計学を学ぶ様々な機会を提供しています。