現代数学レクチャーシリーズについて

社会人のための数学教室「すうがくぶんか」は東京工業大学理学院と提携し、社会で活躍する様々な方が現代数学に触れることのできる機会を設けることにしました。

その一環として、現代数学レクチャーシリーズと題し、数学者として活躍されている先生方の研究内容をできるだけそれに近い形で学んでいく講座を開講します。第1回となる今回は、東京工業大学理学院で数学を研究されているの4名の先生方にそれぞれ1時間ずつお話をしていただきます。

また、2019年度中に第2回、第3回として、今回ご講演いただく加藤文元先生、山田光太郎先生によるレクチャーをお届けする予定です。より長い時間をかけて先生の専門とする内容について基本的なところからじっくりとお話しいただきます。詳細決定次第お知らせいたしますのでお楽しみに。

講演内容

●正井秀俊(東工大理学院数学系助教)
タイトル:「ジャグリングの“かたち“」
要旨:「かたち」を理解したい。そう思った時、最初に考えつくのは長さや面積を測ってみることです。きっとたくさん学校でも勉強しますね。でも、もう少し、ゆったり、考えてみてみると?一つ一つ、長さや大きさは違っていても、木はみんな「木のかたち」をしているし、ドーナッツもみんな「ドーナッツのかたち」をしています。こんな感覚をことばにする、一つの方法にトポロジーという数学があります。この講演では、トポロジーを使って、ジャグリングの色々なワザの「かたち」を理解していきます。きっと、「かたち」という考え方に新しい視点が得られるはず。もしかしたら、「家族のかたち」とか「愛のかたち」とかも、わかる、かも?しれません??

●鈴木正俊(東工大理学院数学系准教授)
タイトル:ゼータ関数の解析接続を理解しよう
要旨:素数の神秘を内包した特別な関数として, ゼータ関数は整数論について触れた一般向け書籍でもしばしば紹介されています. しかしながら, ゼータ関数を正しく理解するのに必要不可欠な「解析接続」という概念については, きちんと説明されていないことが多々あります. 実際, 解析接続は大学の学部3年生頃に習う高度な概念ですから, そのような扱いがなされるのは致し方ありません. そこでこの講義では, ゼータ関数の解析接続について, 具体的な計算法も込めて解説します. ここが理解できれば, ゼータ関数論の初級は卒業と言えるでしょう.

●川平友規(東工大理学院数学系准教授)
タイトル:「かたち」を引き寄せる「かたち」:フラクタル,IFS,そして不動点定理
要旨:平面集合のいろいろな「かたち」.たとえば,自然界にも頻繁に現れる,フラクタル集合.その際立った性質を,巧みな数学的定式化であぶり出してみましょう.「かたち」が「かたち」を引き寄せる,集合たちの織りなすダイナミックな世界をお楽しみください.

●加藤文元(東工大理学院数学系教授)
タイトル:合同数問題とL関数
要旨:古代から知られている合同数問題「与えられた自然数dを面積とする3つの辺がすべて有理数である直角三角形はいつ存在するか」は、楕円曲線の有理点問題を経由してBSD予想とも関連する深い問題です。この講演では、有理点の具体的な計算を見ながら、合同数問題とL関数の特殊値との関係を実感することを目指します。

講座詳細

名称 現代数学レクチャーシリーズ第1回
講師 正井秀俊「ジャグリングの“かたち“」
鈴木正俊「ゼータ関数の解析接続を理解しよう」
川平友規「「かたち」を引き寄せる「かたち」:フラクタル,IFS,そして不動点定理」
加藤文元「合同数問題とL関数」
日程 9月29日(日)13:00-18:30 (開場12:30)
場所 東京工業大学 LECTURE THEATRE
受講料 無料
持ち物 筆記用具

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すうがくぶんかについて

社会人のための数学教室すうがくぶんかでは、「もっと社会に数学を」を理念に学校を卒業した後も本格的な数学や統計学を学ぶ様々な機会を提供しています。9月には多様体入門高校数学から始める圏論の基礎時系列分析入門の各講座を、また10月からは数学や統計学、機械学習についての基本的な内容から扱う後期集団講座がスタートします。こちらも合わせてご覧ください。