数学をわかりやすく教えるのはなかなか難しいです。多くの人が学校の算数・数学を嫌いになりがちな理由のひとつは、教師が「わかりやすく教える」ために必要なことを意識・理解していないことが多いからでしょう。人は、自分の知識を他人に伝える時、得てして「今の自分の理解の仕方の形」を最善と思い込みそれをそのまま伝え受け取らせようとしてしまいますが、それは「これから学んでいく人」にとっては必要な「補助輪」が欠けていたり、逆に枝葉末節が多すぎてシンプルであるはずの本質が覆い隠されてしまったりしてしまいがちです。ところが、教える側は「自分にとっては当然」の事柄なので、それが「他人には伝わりにくい(伝わらない)形」になってしまっていることが認識できないのです。残念ながら、市販の本でもそういうものは多いように思います。
そういうギャップを埋め、「学ぶ人にとって適する形」で教えていければ、ということを心がけています。受講者の皆さんの力になれれば幸いです。
