数理ファイナンスの原理と関連した数学について

金融工学、数理ファイナンス、デリバティブ(金融派生商品)といった言葉が登場して世間を騒がしてから、はや30年が過ぎようとしています。この間にこれらは完全に現代の社会の最も重要な部分の一つとして当たり前の存在となりました。

この講義では、数理ファイナンスの原理とそこから現われてきた数学的な問題の一部を解説します。

また、二宮先生のお話を十分に理解するための予習回として、すうがくぶんかの講師が以下の前提知識について解説いたします。

・常微分方程式の基本(解の存在と一意性、ベクトル場による解の表記法)
・多変数の微分積分(合成関数の微分の連鎖律)
・測度論的確率論の基礎的な知識(確率空間、情報族、増大情報列、条件付き期待値)