現実的な場面で圏論が活躍する可能性を探る
この講座では、『活躍する圏論―具体例からのアプローチ―』(B.フォン、D. I. スピヴァック著、川辺治之訳)を教科書として、圏論への入門的内容を解説します。教科書のタイトルにある通り、さまざまな現実的な問題において圏論が活躍する様子をお伝えし、またその可能性を探ることが目標です。
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この講座では、『活躍する圏論―具体例からのアプローチ―』(B.フォン、D. I. スピヴァック著、川辺治之訳)を教科書として、圏論への入門的内容を解説します。教科書のタイトルにある通り、さまざまな現実的な問題において圏論が活躍する様子をお伝えし、またその可能性を探ることが目標です。
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この講座では、『活躍する圏論―具体例からのアプローチ―』(B.フォン、D. I. スピヴァック著、川辺治之訳)を教科書として、圏論への入門的内容を解説します。教科書のタイトルにある通り、さまざまな現実的な問題において圏論が活躍する様子をお伝えし、またその可能性を探ることが目標です。
4月から8月に行う前期講座では『活躍する圏論』の第4章までの内容を扱います。第5章以降は10月開講の後期講座にて扱います。たっぷり時間をかけて基本的な例題や演習問題の解説を行いながら、抽象的な数学に馴染みの薄い方にも圏論に入門していただくことを目指します。
今回使用する上記教科書では、原著のタイトルにseven sketches in compositionalityとあるように、compositionality(合成性)についての7つのトピックを紹介しています。本前期講座ではこの7つのトピックのうち、生成的効果、資源理論、データベース、協調設計という4つのトピックを扱います。これらのトピックが具体的にどのような問題を扱うかを簡単に紹介します。
料理のように、いくつか材料から製品を作る工程を考えます。例えばカレーを作る際には、野菜や肉を下拵えし、煮込み、ルーを加え、米を炊き、盛り付けます。場合によっては購入したルーではなくスパイスから自作する場合もあります。これらを組み合わせることで、カレーを作るという工程が表現できます。このように、部分的な工程の合成として全体的な工程を捉える際に起こりうる問題について考えることがこの講座のテーマです。
大きなプロジェクトを実行する際に、小さなプロジェクトに分割しこれをいくつかのチームに割り当て、さらにチームのプロジェクトをそのチームに所属する各個人に割り当てます。実際には個々の作業が独立ではなく相互に依存関係を持つため、実際にこれらの作業を組み合わせて全体の作業が遂行できるかという問題が生じます。
会社において社員一覧表や部署の一覧表、オフィスの一覧表などさまざまな表を組み合わせたデータベースを扱います。複雑に組み合わされたデータベースに対してそれを書き換えるなどの処理を行うとき、データベースの整合性を損なわずに処理することは難しい問題です。
このように、何か現実的な問題を扱う際にその問題を分割し部分的に捉えた上で、それらの部分を合成して元の問題を扱うことはよくあります。このような状況を、右図のような結線図式を用いて表現することができます。
結線図式はモノイダル圏と呼ばれるタイプの圏におけるさまざまな計算や証明を視覚化するものです。現実的な問題に圏論を応用する上では、このモノイダル圏という概念が活躍します。図を用いた証明や計算という、お馴染みの数式を用いた数学とは異なった色合いの数学も楽しむことができます。
今回使用する教科書には、全体で約240問の練習問題が用意されています。本講座では、これらの問題ついても可能な限り演習の時間を設け解説を行います。練習問題の解答は教科書にもありますが、自分の書いた解答が正しいのか間違っているのかを判断するのは難しいものです。この点を補うために、提出いただいた解答を講師が添削いたします。実際に手を動かして学ぶ(本書の言葉を借りるなら、バスから降りて地元民やその地方の建築物と直接触れ合う)助けとなるよう講座を進めていきます。
Brendan Fong 著・ David I. Spivak 著・ 川辺 治之 訳著『活躍する圏論―具体例からのアプローチ―』(共立出版)を教科書として使用します。
Brendan Fong 著・ David I. Spivak 著
共立出版
さまざまな現実的な問題において圏論が活躍する様子をお伝えし、その可能性を探ること
高校で学ぶ程度の集合や論理について
教科書の演習問題のうち講義中に指定した教科書の問題及び講師が作成した問題について、ご提出いただいた解答を添削いたします。
まずは圏に入門するためのシンプルだが重要な例として擬順序という考え方を導入します。例えば現象の観測を擬順序を用いて抽象的に捉えることができます。擬順序やそれに関連する概念を学ぶことで、この先の圏論的な内容を学ぶ上で有用なイメージを掴みます。
例えばある現象を部分的に観測したものを組み合わせて元の現象を全て捉えられるかという問いを考えます。現実的には部分的な観測の単純な組み合わせで全体を捉えることは難しく、部分の組み合わせと全体の様子にずれが生じることを生成的効果と呼びます。擬順序という数学の言葉を用いて、生成的効果を定式化できることを紹介します。
資源理論をテーマにして、与えられた資源から、何を作ることができるか、そのためのコストはどれほどか、また作る方法はどれほどあるかを扱うための圏論的な方法を説明します。またこれを結線図式を用いて表現する方法も紹介します。
例えば以下の図はレモンメレンゲパイを調理する方法を結線図式で表したものです。パイ生地、レモン、バター、卵などの材料から、具材、メレンゲを作り、パイ皮に詰め、最後にメレンゲを加えて焼くという全体の工程を小さな工程に分割し、それぞれの小さな工程を組み合わせた全体の工程が実際に可能であるかを図式で表現できます。
料理だけでなく製造工場、化学反応、情報の複製や伝達なども同じように結線図式を用いて、部分的な工程の組み合わせで全体の工程が実現可能かなどを表すことができます。このようなさまざまな具体例を通して、モノイダル擬順序について学びます。
データベースをテーマにして、圏、関手、自然変換という圏論における基本的な概念を導入します。さらに随伴や極限といった重要な概念を説明します。
このことの応用として、圏や関手の言葉を用いてデータベースを捉える方法について紹介します。例えば、複数のデータベースを統合する、異なる形式のデータベースの間でデータを移行する、などといったデータベースに対する操作を、関手やその合成、随伴などの圏論的概念を用いて捉えることができます。
協調設計とは、ある大規模なプロジェクトチームを小さなチームに分割して部分的なプロジェクトを割り当て、さらにその小さなチームをより小さなチームに分割して部分的なプロジェクトを割り当てる、といった階層的な設計過程を言います。現実的には、チーム同士は完全に独立しているとは限らず、互いに影響を与えながら作業を進めていきます。
このような状況で、個々の小さなチームにおいては部分的なプロジェクトが実現可能であるとき、これらの組み合わせで元の大規模なプロジェクトが実現可能か、といった協調設計問題について圏論を用いて論じます。プロ関手、圏化、そしてモノイダル圏という概念を紹介する。
講座名 | 応用圏論への招待(前半) |
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担当講師 | |
開講スケジュール |
土曜クラス : 10:00-11:30
2023年4月8日~2023年8月26日
4月29日、8月12日土曜日は休講です。 |
受講方法 |
Zoomによるオンライン講座 |
教科書 | Brendan Fong 著・ David I. Spivak 著・ 川辺 治之 訳著『活躍する圏論―具体例からのアプローチ―』(共立出版) ※著作権の関係上、お持ちでない場合は必ずご購入いただくようお願いいたします。著者及び出版社には、教科書として使用する許可を得ておりますが、本講座とは無関係です。 本講座に関しては弊社へのみお問い合わせください。 |
受講料 | 税込14,500円/月(税込72,500円/5ヶ月一括) |
お支払い方法 |
クレジットカード支払いは本ページ下部「受講料のお支払いについて」よりお願いいたします。 |
準備物 | 筆記用具・教科書 |
その他 | 初回講義での体験受講が可能です。 |
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1ヶ月 | 2ヶ月 | 5ヶ月一括 |
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2020年前期分よりオンライン授業を録画し、授業の録画販売(アーカイブ販売)を行っております。
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本講座は開講中の講座はございません。
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講座名 | 動画内容 | 講師名 | 受講料 |
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応用圏論への招待(前半) 2023年前期 |
全19回 (各90分) |
梅崎 直也 | 14,500円/月(72,500円/5ヶ月一括) |
年度別 講座情報
年度 | 講座情報 |
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ー | 本講座は2023年前期のみの開講です。 |
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