社会人のための数学教室「すうがくぶんか」は東京工業大学理学院にご協力いただき、社会で活躍する様々な方が現代数学に触れることのできる機会を提供しています。
その一環として、現代数学レクチャーシリーズと題し、数学者として活躍されている先生方の研究内容をできるだけそれに近い形で学んでいく講座を開講します。
第1回では4人の先生にご登壇いただき、様々なトピックについて解説していただきました。第2回では山田光太郎先生による擬球面の解説講座、第3回では加藤文元先生による代数幾何学の講座を行いました。(詳しくはこちら:第1回、第2回、第3回)
第4回目となる今回は4人の先生にご登壇いただき、「社会に広がる数学」と「タイヒミュラー祭り」をテーマにした2部構成となっています。
第1部「社会に広がる数学」では、二宮祥一先生による数理ファイナンスに関する講演を行います。金融工学やデリバティブなど、高度な数学を用いて生まれた金融の概念は既に社会に浸透しきったと言えるでしょう。これらの金融理論や金融商品において、実際にどのような数学が用いられているのかを解説していただきます。
第2部「タイヒミュラー祭り」では、数学界を超え社会を大きく賑わせた京都大学の望月新一氏による”宇宙際タイヒミュラー理論を用いたABC予想の解決”に関連した3つの講演をお届けします。正井秀俊先生、若林泰央先生、加藤文元先生の3名の先生方に、タイヒミュラー空間から始めてp進タイヒミュラー理論、そして宇宙際タイヒミュラー理論について解説していただきます。
現代数学レクチャー第4回は昨今の感染症拡大の状況に鑑みて、ニコニコ生放送によるオンライン開催といたします。参加者の皆様には、講演者の先生方に向けて画面を流れるコメントを通してリアルタイムにご感想やご質問をお伝えいただけます。
また、現代数学レクチャー第5回~第8回として今回ご登壇いただいた4名の先生方それぞれに改めてじっくりと講義をしていただく機会をお届けします。こちらは2022年3月までに開催予定です。詳細につきましては後日お知らせいたしますのでお楽しみに。高度な内容の講座に関しては、予備知識から学ぶためのすうがくぶんか講師による予習回も開講します。現代数学の姿に触れられる絶好の機会となっております。ぜひお気軽にご参加ください。
※諸事情により中止となりました二宮祥一先生の第4回レクチャーシリーズでのご講義は10月24日(日) 13:00-14:00に”YouTubeすうがくぶんかチャンネル”にて振替開講されます。
<講演内容>
数理ファイナンスと確率論と数値計算
講師 二宮祥一
東京工業大学理学院数学系教授
<経歴>
東京大学理学部数学専攻卒業
IBM東京基礎研究所研究員、東京工業大学理財工学研究センター助教授、同教授を経て現職