微分積分 特別講義（加藤文元先生）

1章と2章の内容を行います。
第1回：1-1 実数の連続性 1-2 数列の収束と発散
第2回：1-3 単調数列とコーシー列 及び発展
第3回：2-1 関数の極限 2-2 極限の意味
第4回：2-3 関数の連続性 2-4 初等関数

実数、そして関数は微分積分学の舞台になる数学的対象です。微分積分学は、関数や実数を理解するための様々なテクニックを学ぶ学問といっても良いでしょう。講義の中では、実数の連続性、数列の収束と発散、極限の意味、関数の連続性といった基本的な概念を学びます。

3章と4章の内容を行います。
第5回：3-1 微分可能性と微分 3-2 微分法の応用
第6回：3-3 ロピタルの定理 3-4 テイラーの定理
第7回：4-1 積分の概念 4-2 積分の計算
第8回：4-3 広義積分 4-4 積分の応用

微分は、グラフ・曲線の接線を求める、つまり曲線を一番近い一次関数で近似したらどうなるかを考えるものです。積分はいろいろ複雑な図形の面積や体積を求める、つまりグラフを棒グラフで近似するというものです。微分・積分のどちらも「近似」が重要なキーワードになります。講義の中では、関数が微分可能であることはどういうことかや具体的な計算方法、テイラー展開などを学びます。また面積の概念から直感的にリーマン積分を導入し、具体的な計算方法、広義積分などを学びます。

5章と6章の内容を行います。
第9回：5-1 ユークリッド空間 5-2 多変数の関数
第10回：6-1 多変数関数の微分
第11回：6-2 微分法の応用
第12回：6-3 陰関数

多変数の関数は、画像処理や音声処理、より一般に機械学習の考察対象として自然に現れます。そのような多変数の関数の性質を調べる学問が、多変数の微分積分学 です。最初に、ユークリッド空間や多変数関数の連続性といった重要な概念を学びます。1変数の場合と同様に、多変数の場合も微分の本質は一次近似にあります。この原則を踏まえると、多変数の微分の考え方や定式化が自然に理解できます。講義ではさらにテイラー展開や極大・極小問題など、微分法の応用についても触れます。

7章の内容を行います。なお、第16回はテキスト第8章の「級数」の内容を行います。

1変数関数の積分の考え方を自然に拡張して考えることで、多変数関数の積分（重積分）の概念が得られます。実際にその詳細まで詳しく述べることはとても難しいのですが、直観的にはとてもわかりやすい考え方です。ただし、多変数の場合は1変数の場合と違って、実際どのように積分を計算するのか？ということが問題になります。概念的な定義だけでは、どうやって計算したらよいかわからないからです。そこで登場するのが累次積分の手法です。講義ではさらに、積分の変数変換なども学びます。

8章と9章の内容を行います。なお、テキスト第8章の「級数」は第4期の最後の回（第16回）に行われます。
級数は無限個の項の和の形をした式のことです。級数は有限和とは本質的に異なる現象が起こり、特別な扱いをする必要があり、難しくも面白い数学的な対象です。ここではその一般論を勉強していきましょう。また微分積分学が自然科学や工学に応用される上で、微分方程式を語らないわけにはいきません。講座では代表的な微分方程式の解法や基本的な理論を学びます。